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果てのない海に呑まれて
第16章 相容れぬ心
祭りから二日
屋敷の中にはどこか慌ただしい雰囲気が漂っていた
書庫で本を読むリリアの集中力も途切れ、顔を上げて部屋の外を見る
彼女の傍にはレオンもミゲルも、彼らの部下さえいない
こんなことはここに来てからの四ヶ月でほとんどなかった
常に見張りが立てられていたものだが。
“何かあったのかしら……”
自由になったことよりも先に、リリアは不安な気持ちを覚えていた−−−
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