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果てのない海に呑まれて
第16章 相容れぬ心
その後ろ姿を見送りながらリリアは複雑な心情で微笑む
普段あり得ない程自信家で偉そうに振る舞っている癖に、時折ああして不器用な面を見せる
あんな顔をされてーーーしかも好きだと、離れたくないという想いに気づき始めた直後にどうして拒めるだろうか
だがーーー
彼の言い淀んだ原因をリリアが忌み嫌うのも事実
レオンに対する想いと、海賊行為への気持ちは全く別物だった
慕う相手による憎むべき行い
リリアは答えの出ない問題にまた眉根を寄せるのだったーーー