この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第17章 細波



翌日、まだ陽も昇りきらないうちにリリアたちは屋敷を出ようとしていた



「出られそうか?」

「ああ、荷は全て積んだし、海の様子も問題ないということだ」

「よし、では出発しよう。リリア!

……リリア?」



返事がないのでレオンは顔をしかめて振り返る

リリアは少し離れた所で門の向こう側に見える海をぼんやりと眺めていた



「また寝惚けているのか? 全く……あいつの朝の弱さには困ったものだな」



近付こうとしたレオンの目に、門前に停まった一台の馬車が映った

ファルツの薔薇の紋章があしらわれたその馬車に見覚えのある金髪の男が乗り込もうとしている



「……ミゲル、リリアを起こしておいてくれ。私はジェーンに話がある」

「……了解した」



レオンが弟のもとへ行き、ミゲルはリリアの隣に並んだ



細波立つ海を見つめる彼女の手には鞘に収まった短剣が握られていて、それに気付いたミゲルの目が微かに細まる



「そんなものを持ってどうするつもりだ」



低く、威圧するような声色にリリアははっと我に返った



「レオンに……」



剣を握る手に力が入る



「持っておくよう言われたけれど、どうしたら良いのか分からなくて」



/810ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ