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果てのない海に呑まれて
第17章 細波
キュッと太股が少し締め上げられる感覚がして、リリアの脚にナイフが取り付けられた
「キツくないか?」
「ええ……でもこんなので本当に襲われたとき間に合うの?」
「……」
「レオン……?」
一瞬手を止めて黙り込んだ彼にリリアは怪訝な顔をする
レオンは大きくため息を吐くと、留め金を下ろしながら口を開いた
「男ならいざ知らず……女が襲われるとすれば、殺される前にまず凌辱されるだろう」
「……っ」
「その隙を突く」
当然不安な顔を浮かべたリリアを包むようにレオンは体を寄せて優しく囁く
「大丈夫だ。何があっても私が傍にいる。
傍にいて、お前を護る」
優しくーーー強く。
「う……ん」
リリアはその言葉に一層顔を赤らめながらも、何故か彼から逃れるように体を捩り始めた
彼女の表情は先ほどからまた一変、眉を寄せて険しいものになっている
「ねぇ」
「なんだ」
そんな彼女を知ってか知らずか、レオンの返事はいつもとなんら変わりない