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果てのない海に呑まれて
第18章 訣別

「実は余りにも急だったから言わなかったんだが、出発前にルチアーノから知らせがあった」
「……それで?」
「このままいくと上陸した瞬間に襲撃される可能性もあるらしい」
「……」
ミゲルの言葉にレオンは黙り込んだ
眉をひそめ何かを考えているようだが、しかしその顔に不安はない
しばらくして、おもむろに口を開いた
「お前は私の何だ?」
「……は?」
全く予想しなかった問い掛けにミゲルの目が丸くなる
「お前は私の何なんだ」
もう一度同じ質問を繰り返すレオン
「俺は……お前の側付きであり、護衛だ」
「なら私を護るのがお前の仕事だな」
「…っ……」
ああ、分かっている
それでも−−−
表情は崩さないままにミゲルの瞳の奥が微かに揺れる
「……暗殺の一件からやけに弱気だな」
そんな心の機微を見抜いたのか、レオンは彼の内面をそう形容した
「私はお前の護衛としての能力を信用している。
前にも言っただろう、お前がいるから多少の無茶も無茶にはならない」
それだけ言うとレオンは腰を上げまた外へと戻ろうとした

