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果てのない海に呑まれて
第18章 訣別

外に出ると、船はアウスグライヒのあるドラグーン半島と、その東海岸にリーディエが位置しているソーサレス半島のちょうど中間辺りまで来ていた
舷縁に腕を乗せ体を保たれる
少しの間そうして波を眺めてから、離れた場所で同じようにしているリリアに目を移した
彼女はその視線に気が付くと、またもフイと顔を背ける
たがすぐに彼の様子が違うに気が付いたのかそっと傍に寄ってきた
「……大丈夫?」
心配するような表情を向けられ、レオンは思わず小さく笑う
そして彼女の髪を撫でると優しい声で言った
「何でもない。大丈夫だ」
けれどそんな声色は彼がやはりどこか思い詰めていることを強調するだけだった
「レオン、私ね……」

