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果てのない海に呑まれて
第18章 訣別



「……」



船が軋む微かな音にリリアは目を覚ました

そこは薄暗く、天井から吊り下げられた灯りがその周囲だけをゆらゆらと赤く照らし出していた



どうやら自分はレオンの部屋のベッドにいるらしい

レオンはーーー







「起きたか」



頭上から降ってきた声に驚いてリリアは顔を上げる

瞬間、優しく自分を見るレオンの瞳に捕らえられた



「っ……………」



レオン、と呼び掛けたいのに声が出ない



「水、飲むか」



頷くリリアの為にレオンはベッドから出て部屋の隅へと向かう

当然、リリアの視線は彼に釘付けだった



"えっ、えっ……何で裸なの?"



声にならない声で戸惑いながら自分の体を確認する

それは彼と同様に真裸でーーーとても温かかった



"ああ…ずっと暖めてくれていたのね……"



リリアは顔を綻ばせ、水を差し出したレオンににっこりと微笑んだ



「……? どうした?」



急に笑顔を向けられてレオンは不思議そうな顔をする

リリアは何も言わずにーーー言いたくても言えないのだがーーー水を一口飲んだだけだった


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