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果てのない海に呑まれて
第18章 訣別

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−−−…
街の騒めきが聞こえた気がして、リリアはゆっくりと目を開ける
部屋は窓から射し込む光で柔らかく包まれていた
「スー……スー…」
リリアの目の前で逞しい胸板が上下している
少し顔を上げれば静かに寝息を立てるレオンの姿が見えた
そういえばこんな風に寝ている彼を見るのは初めてかもしれない
いつも自分の方が先に寝て、レオンの方が早く起きるから−−−
最初にこの船に乗った時は座って眠る彼を見たが、今考えると部屋を出てすぐに追ってきたから起きていたのだろう
でも今回は、確実に眠っている
温かい光の中で、心地好さげに−−−
「……」
リリアはそっと顔にかかる黒髪を払って彼の頬に手を添えた
改めて見ても、やっぱり綺麗だ
船に乗っているとは思えないくらいに白い肌
彫りは深く、通った鼻に少し細めの眉、薄い唇−−−

