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果てのない海に呑まれて
第18章 訣別



リリアはその唇にそっと顔を近付けていった

自分からこんなことをするなんてあり得ないと思っていたけれどーーー



もう少しで、唇と唇が触れる



「……っ」



ここまできて緊張しているのか、心臓が早鐘を打つ

リリアはぎゅっと目を瞑った









…コンコン





「レオン、起きているか? 頼まれたものを見繕って来たんだが」

「ああ、今行く」

「……!?」



ミゲルの呼び掛けに答えてぱちりと目を開けたレオンにリリアは固まってしまった



「……クッ…おはよう」

「……い」

「うん?」

「いつから起きてたの!?」



驚きの余りまともな声が出るようになっていた



「そうだな……頬に触れられた辺りからか」

「…なっなんで何も言わないのよ!」

「お前がどんなことをするか興味があってな」



レオンは愉しそうにクックッと笑う



「本当は港に着いた時に一回起きてミゲルに用事を頼んだんだが、お前が眠っているのをずっと見ていても何だから二度寝した」

「起こしてくれれば良かったのに!」

「ああ、悪戯でもしてやろうかと思ったが……」



リリアの耳元に口を近付けると、外にいるミゲルに聞こえないよう小さな声で囁いた


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