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果てのない海に呑まれて
第21章 寄せては返す–––
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海に映る月が波に揺れる
リリアはそれを見つめ、これからのことを考えていた
船に戻ってすぐにレオンは部屋に入ってしまい、謝ることさえ出来なかった
どんな理由であろうと、ファルツに逆らった自分はもうここにはいられない
アウスグライヒに着いたらきっと突き放される
それならせめて、故郷にーーーシエラに置いていって欲しい
「……っ」
シエラにーーー帰ったところでどうなるというのだろう
もう誰もいないのに。
大切な人は、もう此処にしかいないのに。
もうーーー喪いたくないのに。