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果てのない海に呑まれて
第3章 レオンという男



「い、いえなんでも……っ」



他の人と話す時はよく笑うのに、自分に対しては物凄い目で見てくる

リリアはその視線にかなりの恐怖心を覚えた



「見ろ、怖がっているじゃないか。お前はいつもそうだな」

「強姦をするような奴に言われたくはない」

「……。

リリア、こいつは私の側付きのミゲルだ」



レオンはリリアの方を向くと改めて紹介した



"側付き? ただの船乗り商人に、側付き?"



リリアは訳が分からないという顔をする



「あの…貴方は……」

「ああ、考えてみれば自己紹介がまだだったな。私はこの船の責任者、レオンだ」

「いやそうじゃなくて……」



素性を聞こうとした次の瞬間、リリアの喉元にはナイフが突き付けられていた



「な……」

「余計な詮索をするな。それ以上何か言うようなら……」



いつの間にかミゲルが背後に回り込み、今にもそのナイフを横に引こうとしている



「やめろ、ミゲル。女相手にやり過ぎだろう」



レオンの言葉にミゲルはぱっと手を離した



「悪かったな、リリア。こいつは警戒心が強いから」



そう言ってさりげなくリリアの体を引き寄せる



「私が何者かは……」



その時、上の見張り台から声が上がった


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