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果てのない海に呑まれて
第3章 レオンという男
笑うミゲルをじろりと睨むと、レオンは舷縁に肘を乗せて背中を保たれた
「しかしよくあの服を着せる気になったな。フローラ様を思い出したか?」
「ハッ、抱いた女と妹を重ね合わせるほど馬鹿ではない」
二人が話している間にドアが再びそっと開かれた
「あの……」
「もう着替えたのか?」
「……」
黙ったまま答えないリリアにレオンはため息をつき、彼女の為に再び部屋へと入って行った
「へぇ、これはなかなか……」
しばらくして部屋から出てきたリリアをミゲルはじっくりと眺める
その鋭い視線にリリアは少し脅え、後退った
「どうだ、私の見立ては」
レオンがミゲルの横に来て同じように彼女を見る
「……本当に重ね合わせなかったのか?」
「ま、半分くらいは嘘だな」
リリアは笑い合う男たちを困ったような顔で交互に見ていた
一方は昨日チラッと見ただけの男だ
二人とも同じウェーブした黒髪を持っていたが、その男はそこまで長くはしていない
そしてその肌は少し浅黒いような−−−
「……なんだ?」
自分をじろじろと見るリリアにミゲルは冷たい視線を向ける