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第23章 夢追う男

「クリス、こちらはファルツのご当主のベルナルド様と、そのご子息方だ。

ベルナルド様、これがオレの倅のクリストフでさぁ」

「父上にはよくお世話になっている。良ければ息子たちとも仲良くしてやってくれ」

「……」

「クリス！　ちゃんと挨拶しねぇか！」

「……こんちわ」



クリスは突然紹介された見知らぬ男に警戒し、少し父親の影に隠れた

一介の船乗りであった父が取引先で知り合ったファルツ家に見初められ、船長として専属の船乗りとなった

それがレオンと彼の、初めての出逢い−−−



「フェリペです。どうぞよろしく」



既に次期当主としての自覚を持つ兄フェリペは、しっかりとした態度で自己紹介をする

目が合ってにこりと微笑まれ、クリスはますます体を小さくした



「さすが、しっかりされてますなぁ……おいくつですか？」

「先日八つになりました」



−−−八歳とは思えない受け答え。



“オレとは住む世界がちげぇな”



クリスは父の背でそう思った



「おい」

「……わ！？」



突然後ろから声を掛けられ、クリスは大きく飛び上がった