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果てのない海に呑まれて
第23章 夢追う男
「なんだお前。失礼なやつだな」
「人様の後ろから声を掛けるお前の方がよっぽど失礼だ! ちゃんとここへ来て挨拶しないか!」
「……はい、父上」
ベルナルドに怒られて少ししょげたその子供は、フェリペの隣に並ぶと改めて挨拶をした
「レオンだ。よろしく頼む」
「……」
その時クリスは彼から目を離すことが出来なかった
兄とは違い、とても教養があるとはいえない
それは歳のせいもあるかもしれないが−−−
「次男のレオンだ。今年で五歳になるのだが、まだまだ子供で…申し訳ない」
“一つ年下!?”
何よりその瞳が、人を捕らえて離さなかった
澄んだ、まっすぐな瞳
全てが見透かされる
そして誰より輝いていて−−−
「それでは、せっかくですから船を沖に出してみましょうか」
クリスは父の言葉にハッと我に返った