この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第24章 始まりは皆
「今夜はファルツに泊まっていくんだろう?」
「ん? ああ、アウスグライヒには二、三日いるつもりだが……」
泊まるのはなぁ、とクリスは頭を掻く
「人が多すぎて流石のファルツ様も抱えきれないだろ。オレだけ屋敷のベッドでゆっくりするなんて出来ねぇからな」
「船長だけで二人分だしな」
「ちぇっ、言ってくれるぜ」
口を尖らせたクリスにレオンは更に提案をした
「では食事だけでもどうだ? ベッドの数は足りないが、そのくらいは何とかなるだろう」
「やけに気前が良いな。じゃあちょっと聞いてくるか」
クリスが一旦仲間の所に戻ると、すぐに沸くような歓声が聞こえて来た
結果を聞くまでもない
「……これで存分にあいつらの話が聴けるだろう」
「え……?」
後は任せると部下に指示を出し、レオンは一足先に屋敷に戻ろうとした
「ま、待って!」
リリアも急いで後を追い、彼の隣に並ぶ