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果てのない海に呑まれて
第24章 始まりは皆
「なんだ、お前はクリス達と後からゆっくり帰れば良いのに」
「……」
何となく突き放されているような気がして、リリアは哀しそうな顔をする
「……いや、すまない。今のはあまりに幼稚だった」
「…クス」
恥ずかしさを隠して謝ったのに、小さく笑われてレオンはムッとなった
「なんだ」
「ごめんなさい……可愛い、なんて思ってしまって」
「は……?」
意味が分からず一瞬目を見開き、咳払いをして姿勢を正す
「そういうお前の方がよほど……」
「おーい! 全員ぜひにもご馳走して欲しいそうだ!」
「……」
話し終えたクリスが大声でそう伝えた
「……ごめんなさい、聞こえなかったわ。なんて言ったの?」
「なんでもない…っ」
レオンは何故か舌打ちし、さっさと歩いて行ってしまった
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「……と、いうことがあったのだけれど」
「……」
「ミゲル?」
問い掛けられたミゲルは手にしたグラスをテーブルに置き、軽くため息をついた
レオンの態度が不安だからと聞いてみれば、何だこの惚気話は。
一体どう答えればいいというのか