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果てのない海に呑まれて
第24章 始まりは皆



「なんだ、お前はクリス達と後からゆっくり帰れば良いのに」

「……」



何となく突き放されているような気がして、リリアは哀しそうな顔をする



「……いや、すまない。今のはあまりに幼稚だった」

「…クス」



恥ずかしさを隠して謝ったのに、小さく笑われてレオンはムッとなった



「なんだ」

「ごめんなさい……可愛い、なんて思ってしまって」

「は……?」



意味が分からず一瞬目を見開き、咳払いをして姿勢を正す



「そういうお前の方がよほど……」

「おーい! 全員ぜひにもご馳走して欲しいそうだ!」

「……」



話し終えたクリスが大声でそう伝えた



「……ごめんなさい、聞こえなかったわ。なんて言ったの?」

「なんでもない…っ」



レオンは何故か舌打ちし、さっさと歩いて行ってしまった










******************************











「……と、いうことがあったのだけれど」

「……」

「ミゲル?」



問い掛けられたミゲルは手にしたグラスをテーブルに置き、軽くため息をついた



レオンの態度が不安だからと聞いてみれば、何だこの惚気話は。

一体どう答えればいいというのか


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