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果てのない海に呑まれて
第24章 始まりは皆
「……放っておけ。どうせすぐに戻る」
「そう、かしら……」
なんとなく吹っ切れない
「それより大広間の方に行かなくていいのか。クリストフにも、呼ばれているんだろう」
「ええ、でも……」
「……? 何だ?」
少し躊躇うように上目遣いで見てくるリリアにミゲルは顔を顰める
「貴方が一人になってしまうから」
「……」
“ん……!?”
何を言っているんだこいつは!?
「そんなこと、今更も良いところだろう」
「関係ないわよ。ミゲルって…時々凄く怖い顔してる」
「……それはもともとだ」
「そうじゃなくてね……」
リリアは真剣な眼差しでミゲルを見た
「とても思い詰めてる感じがするってことよ。
レオンにも見せない何か……いいえ、レオンの前だから見せないのかしら?」
「……」
普段ありえないくらいに鈍いくせに、何故こういうことに限ってーーー
「鋭いな」