この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第24章 始まりは皆
「するわけねーだろ、ばーか」
「なっ……」
ちゃんと目を合わせてきたかと思えば、一発目がそれかよ!
「…んのやろ!」
クリスも負けじと下からミゲルを支えるロープを揺らす
「おい! ふざけるなよ……」
「てめぇら何やってんだコラァ! また海に突き落とされたいか!」
「やべ……っ」
荒々しい声に二人は途端に罵り合いをやめ、急いで甲板に戻る
「こんの悪ガキどもが! さっさとここを片付けとけ!
次またふざけてんの見たらそこら辺の沖の孤島に置いていくからな!」
クリスにとってはいつものことだが、先ほどまでとはまるで違う対応にさすがのミゲルも少し目を丸くした
そんな彼を見て見ぬフリをし、背を向けた船長は髭を蓄えた口の端をニヤリと吊り上げる
今までクリストフは同じ年頃の子供と一緒にいることがほとんどなかった
レオンは例外だが、立場が違い過ぎる
対等に付き合える喧嘩相手というのが必要だ
あの子ならきっと、息子の良き理解者にもなってくれるだろうーーー