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果てのない海に呑まれて
第24章 始まりは皆
「少し……寂しいな」
それだけ言って立ち上がるレオン。
普段見たこともないようなその表情に二人は顔を見合わせた
「…レ……」
「……レオン」
先にそう呼んだのはどちらだったかーーー
遠ざかりかけた彼の耳に、家族でしかあり得ない呼び掛けが届いた
「……今、何と言った?」
「た、大変失礼致しました…っ……こいつが……」
「レオンって、お前のこと呼んだんだよ」
振り向かれて慌てるミゲルの横で、クリスは立ち上がりそう応えた
「……」
驚きのあまりレオンの口が開きっぱなしになる
「おい、寝てんのか?」
「クリス、それはさすがに……っ」
バッシャ-ンッ
「……」
忠告する間も無くそれは行われ、ミゲルは思わずぎゅっと目を閉じていた