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果てのない海に呑まれて
第1章 崩壊
一体何が起こったのだろう
宵時には久々に一族全員が集い、新たに始める南海岸の都市との交易の門出を祝っていたのに−−−
その夜のうちに何者かに襲撃され、帰る場所を失ってしまった
「お父様……っ」
幼い頃に母が亡くなってから、仕事の合間を縫ってリリアの相手をしてくれた
優しい父の無事を祈りながら、リリアは膝を抱き寄せ涙に濡れる顔を埋める
誰が、何の為に。
それは全く分からない
ただ一つはっきりしていることは、自分の生きてきた世界はもう壊されてしまった
それだけだった−−−