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果てのない海に呑まれて
第27章 愛故に。
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「リリアもお前と同じくらい……いや、それ以上に我が儘でな」
ーーーああ
「一番我が儘なのは、私か……」
レオンはそれ以上何も言わず、ただそっと妹の名前に口付けた
「……なんだ」
「そろそろ日も沈む。戻ったらどうだ」
ミゲルは此方を向かないレオンの背中に問い掛けた
いつもよりずっと、静かな声でーーー。
「…ああ、そうする」
レオンはゆっくりと立ち上がると、夕闇に呑まれゆく屋敷へと帰って行った
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