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果てのない海に呑まれて
第27章 愛故に。
「後ろを向け。その壁に手を付いて腰を突き出すんだ」
「…っ……」
これがいつもの戯れならーーー彼があの意地悪な笑みを浮かべていたなら、はたいてやるところだ
恥ずかしいと分かっているくせにと。
それでもリリアは何も言わず、彼の言う通りに壁際に立った
ーーー羞恥に震える唇をグッと噛み殺しながら。
「……おかしいな」
「…っ……言わないで…お願い……」
「言うなだと? 一体何を? 私は何も言っていないが?」
「それ、は……」
薄明かりの中、レオンは紅に染まった彼女の耳元に囁いた
「言ってみろ……何を言わないで欲しいと?」
「…私……私が……」
彼女には、彼に抗うことなど出来はしない
「まだ何も…されてない、のに……」
何故なら彼がーーー
「…のに、その……貴方…ああっ!」