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果てのない海に呑まれて
第27章 愛故に。
”お前はどうしてそう…リリアやフローラ様の前では子供なんだ”
扉越しに二人の交わる音を聞きながら、ミゲルはため息をついた
「……ま、その馬鹿みたいな真っ直ぐさは嫌いじゃないがな」
自分にないもの
そして、自分が奪ってしまったもの
「……レオン」
口元の笑みは、それが還ってきたことへの悦びか–−−
「夕飯の準備が出来ているが、どうする」
「……ハァッ」
空気も読まずにそう声をかけてきたミゲルにレオンは少し苛立って眉を顰めた
「いら…ない……っ」
喰らうなら、この柔らかな肌だけで十分
「……チッ」
快楽に耐えきれず、壁についたリリアの手に自分の手を重ねた
強く握り締め指を絡めれば彼女も同じようにして返してくる
”…何故……”
そう私を求めるんだ