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果てのない海に呑まれて
第29章 ヨイノトキ
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"あまりここに長居するわけにもいかないか……”
ミゲルはそろそろ戻ろうと立ち上がると、空いたグラスを置いて部屋を出ようとした
ダダダダダッ
「……?」
バタンッ
ガッ
「……〜〜〜っ」
「ミゲル! まだいるかい!?」
「……いる。今度はなんなんだ」
勢いよく開かれた扉に頭をぶつけ、今日は災難だというようにミゲルは苛々と額をさすった
「あんた…あんたの惚れた女ってまさか……」
だが先ほどまでとはまるで違うヘレーネの様子にスッと目を細める