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果てのない海に呑まれて
第5章 負けられない闘い
「何か勘違いしているのね」
落とされる唇に身を硬くしながらリリアは笑ってみせる
「確かに海賊行為も許せないけれど、私が一番嫌いなのは人を弄ぶ貴方のような人間よ」
言いながらも震えるリリアをレオンは何も言わずにただ見ていた
その顔には愉しむような表情が浮かんでいる
だが暗い中でリリアにはそれが見えていない
「それは残念だったな……」
レオンは耳元で囁くようにそう言った
「これからそんな私に弄ばれる……」
手がゆっくりと背中を伝い落ちてゆく
「それを決めたのはお前だがな」
いくら気丈に振る舞っていても、ほんの少し前まで生娘だったリリア
それを変えた相手に対し体が震えてくるのを抑えるのは不可能だった
「覚悟したのではなかったか?」
「っ……」
レオンは腰を撫でながらからかうように言う
リリアはキッとレオンを振り返って睨み付けた
「そっちこそ、覚悟があるならさっさと始めて」
勢いで思ってもないことを言ってしまう
「……クッ」
そんな彼女が可笑しいのかレオンは口を押さえてくっくっと笑った
「いいだろう。愉しませてくれよ?」