この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第5章 負けられない闘い
リリアを自分の腕の中に引き入れると、固く鎖された唇に自分の唇を重ねる
頑なな彼女の首筋を撫でれば嫌だと声を出そうと開かれたそこに舌を挿し込んだ
「ン…むっ」
“ああ、まただ……”
舌を吸われ甘い痺れを感じながらリリアはぎゅっと目を瞑った
また、好きでもない相手に唇を奪われている
分かってはいても、こうして少しでも感じてしまう自分が何より嫌だった
いっそこのまま自分の舌も相手の舌もいっぺんに噛んで死んでしまいたい−−−
「アッ…ンンッ」
そんな彼女の胸中を知ってかどうか、レオンは舌を絡めながら長い指でリリアの首筋から鎖骨にかけてをゆっくりと撫で上げた
触れるか触れないかというその愛撫は普段なら擽ったさを覚えるだろうに、深い口付けによって甘美な刺激へと変わってゆく
リリアの身体から力が抜けていってしまう
それでも心だけは奪われるまいと、それを示すように瞳は強く光っていた
「ッ…ハアッ」
ようやく唇が解放され、リリアは浅かった息を整えるように肩を上下させる
しかしそんな時間は長くは与えられなかった