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果てのない海に呑まれて
第31章 交錯
「……」
レオンは一瞬考えを巡らせた
リリアには船で待つように言っておいた
身の危険を感じたのではない限り、勝手に動いたりはしないはずだ
“……無理やり連れ去られたのか?”
だが、一体誰に?
彼女を狙う者などこのサラディ家以外に思いつかない
“他にあいつを動かすことが出来るのは……”
ミゲル、か–––?
「ねぇ教えてよ。どうしてこんなことしたの?」
「……」
もしそうならば、全て知らぬフリをして通すほうが良い
全てを–––リリアをミゲルに託し、この場を乗り切るのが得策。
だがそうでなかった場合は–––。
いや、仮にそうだったとしても、ミゲルが失敗すれば–––。
「私は……」