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果てのない海に呑まれて
第31章 交錯
バンッ!!
「カレル様!」
「許可なく入ってくるな! この無礼な野蛮人どもが!」
カレルの言葉に男たちは一瞬不快な表情を浮かべた
「……ああ、見つけたのか」
カレルは、そしてレオンも、黒髪の男たちに混じった金髪の少女に気が付いていた
「はい。この男と逃げ出そうとしたところを捕えました」
そう言って突き出されたのは、両手を後ろでキツく縛られたミゲル。
「ミゲル…いつもレオンにくっついていた君が、どうして姿を見せないのか不思議に思っていたよ」
自分の前に跪かされたミゲルを嘲笑うように見下ろして言い放つと、カレルは再びレオンの方に向き直った
「ミゲルに命令して逃がさせたね?」
「……」
「違う。この女は……」
「ギスタール家の娘ではない、とでも言うつもり?
悪いけどそんなつまらない冗談は僕には通じないよ」
ミゲルの言葉を遮ると、なんなら確かめてみようと言って一番扉の近くにいた部下に合図する
「連れて来い」