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果てのない海に呑まれて
第36章 迷い
「……さて」
カタリナは当主ベルナルドの部屋まで来てようやくミゲルの方を振り向いた
自分の部屋でなくわざわざここに連れて来たのは、彼を入れたくないからなのか、当主の妻であることを誇示する為なのか。
いずれにせよ彼女の尊大な態度はミゲルを前にすると侮蔑も含めますます大きなものとなっていた
「手短に言います」
ケチュア人と同じ空間になどいたくはない
そんな考えが透けて見えるようだ
「お前の側付きとしての任を解きます。この屋敷から出て行きなさい」
「……え!?」