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第36章 迷い

「……これは、また教育し直す必要がありそうですね」



そう言ってから、わざとらしく小声で呟く



「まぁ、母親がアレでは何度やっても無駄というものか」

「……！」

「レオン様！」



まだ感情を抑える術など身につけていないレオン。

たった一つしか違わないのに、それを止めるミゲルがだいぶ大人に見えた



「……失礼しました」



何とか怒りを鎮め、震える声で謝罪する



「それで、こんな時間にどの様なご用件でしょうか」

「ミゲルに話があります。見張りは他の者に任せてありますので、お借りしてもよろしいでしょうか」



訊いてはいるが、その口調は拒否することなど許していない



“ミゲルに……？”



レオンはﾁﾗﾘとミゲルの方に目をやる

尋ねるようにこちらを伺うミゲルと目があった



「…ええ、どうぞ」



レオンが頷くと、ミゲルは自分を待たずさっさと出て行くカタリナの後について行った