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果てのない海に呑まれて
第39章 孤独な口付け



「私も……」



片手をカレルの背に回し、もう一方で薄いドレスの裾を上げていく



“もし相手が貴方なら……”



「その方がいい……」



カレルの唇が近付き、触れる間もなく深く入ってくる



「……ん」



慣れない口付けにリリアは懸命に応えた

一方的に吸われ、絡められる舌。

身体が一瞬ピクリと跳ねる



リリアが裾をゆっくりと手繰り寄せる間、カレルの手が彼女の胸を服の上からなぞり始めた



「…ハァ…ッ……」



一瞬だけ息継ぎの間が置かれ、また顔が傾けられる







ブリジッタが惚れたというカレルの色香



それは確かに、人を惑わすに充分なものだった–––









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