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果てのない海に呑まれて
第40章 冷たい肌
それでも–––
「ミゲルにこの国の……いいえ、それよりずっと前の歴史を教えてもらったわ。
あるところにとても美しい王女様がいて、彼女は多くの男たちを下して女王になるの」
女も学べと言ったのはレオン。
「彼女は敵に追い詰められて危機に陥ったけれど……最期まで誇り高く生きた」
髪を結い上げるのは、子供ではない証。
「ここに毒蛇はいない。だから私はもう美しくはいられない」
カレル、貴方に本当の私は見せられない
「それでも、最期まで美しかったと言ってくれる人はきっといるわ!」
最期にもう一度だけ
会いたかった、な–––