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果てのない海に呑まれて
第2章 追い討ち
空が白み始め、朝霧のかかるヴィークの海をぼんやりと照らし出す
まだ人々は寝静まっているというのに、港を歩く数人の男たちがいた
「久々に行ったらオッタヴィアの奴、オレのこと忘れてたんすよ!」
「それはお前に魅力が足りないんだろう。私のことは覚えていたぞ」
「ちぇっ、レオン様ばっかりずりぃや」
その先頭を歩くレオンと呼ばれた男が彼らの長らしい
「お前はずっと姿が見えなかったな」
レオンは横を歩く男にそう尋ねる
「ああ。ヘレーネに見つかった」
「ハハッ、以前からお前に熱を入れてる女か。何発抜かれた?」
「ふん、俺がそう何度もヤられるわけないだろ」
そう言って鼻で笑う男は周りとは違ってかなりレオンと親しげな口を利いていた
「で、お前は誰とヤったんだ?」
「いや、それがな……」
レオンは残念そうな顔で首を擦る
「大勢に囲まれ過ぎて結局誰とも出来なかったんだ」
「なんでぇ、レオン様も意外と男気が足りねぇなぁ! ミゲルならそこにいる全員としちまうだろうに!」
「ああ、その通りだな」
ヘレーネご執心のミゲルはその言葉に頷いてみせる