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果てのない海に呑まれて
第6章 新たな道へ
「そのくらい私でも知ってるわ」
「……そうか」
微笑むレオンの額に少し怒りマークが浮かぶ
それに気付くこともなくリリアはただぼうっと海を見つめていた
「……シエラがものすごく遠くなってしまった」
小さく呟いて舷縁に顎を預ける
そしてそっと目を閉じた
「…帰りたい……」
そんなことばかり言うリリアにレオンは痺れを切らした
「何を言っている」
リリアの肩を掴んで強引に自分と目を合わせる
「お前は私のものだ。お前が帰るべき場所は、私が居るところだ」
聞き分けの悪い子供に教えるようにゆっくりと言ってみせる
「……別にそれでいいわ」
意外にもリリアはそれを受け入れた
素直なその言葉にレオンは驚いて一瞬目を見開く
「でも勘違いしないで」
だがそれも束の間、すぐにいつものキツい表情に戻る
「私が心から貴方に従ってると思ったら大間違いよ。チャンスがあればいつでも逃げ出してやるわ。
貴方を殺してでも」
「……」
レオンは啖呵を切る彼女をじっと見下ろし−−−
「……クッ」
さも愉快そうに笑い出した