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果てのない海に呑まれて
第43章 温もり
「……っ」
レオンはサッと顔を背け、高く昇る月を見つめた
震える身体に力を入れたいのに、出来ない
リリアの告白はどんな媚薬よりも
レオンを支配し、その身体を駆け巡る
“抑えられないと思った矢先にこれだ……”
もう諦めよう
「馬鹿なことを……」
上に向かって呟かれた言葉は、リリアの耳に届く前に消えた
「……ンッ⁉︎」
再び押し付けられた唇は、先ほどよりもずっと熱い
周囲の冷気さえ二人の間には入り込めず、互いが吐き出す息だけで呼吸した
「……ハ…ア」
「レ…オ……」
ようやく二人が離れると、苦しさに涙目になりながらリリアが名前を呼ぶ
力の抜けた舌からは完全な音になりようがなかったが–––
「お前はただこうして私にヤられていればいい。
自分がどれだけ私を狂わせるか、分かっていないのか?」
「え…?……アッ」