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果てのない海に呑まれて
第43章 温もり



「もう少し休ませてやりたいが……」



腕の中で眠るリリアの髪を梳きながら、レオンは呟く

部屋には段々に西日が射し始めていた



「あと一日の辛抱だ。そうすれば全員柔らかいベッドで眠れる」

「どうせお前はほとんど眠らないくせに」



クックッとレオンが肩を震わせると、それにつられてリリアが目を覚ました



「……リー?」

「……」



レオンの顔から笑顔が消える

眠い目を擦りながら一つ欠伸をしたリリアは、



「…あ……」



とようやく自分の失態に気づいて口を押さえた



「あの…私……」

「……いい。お前の寝起きの悪さはいつものことだ。父親に間違えられたこともあるしな」



しかし、とリリアの顎を持ち上げ覗き込む



「この状態でその名前が出てくるということは、あいつともこうしていたことがあるのか?」



一枚の布の下、身を寄せ合って–––



「それは…その……」


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