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果てのない海に呑まれて
第46章 得れば失う、失えば得る
「……お前はここに残れ。足手まといになるだけだ」
「……」
しばらくの沈黙。
二人は互いに睨み合ったまま動かない
ガッ‼︎
「……っ!?」
「…これでも足手まといだと?」
レオンの手の動きは封じられ、喉元には親指が突き付けられている
ミゲルの目にも止まらぬ速さにリリアの悲鳴も声にならず、ただ口を押さえるしか出来なかった
「……息切れが気になるが?」
「っ……俺が何のために生き残ったか分からないか?
俺の役目はこれまでと変わらない……死にかけたからといって生まれ変わったりはしないからな」
ゆっくりと体を離し、大きく息をつくミゲル。
「お前が元気なのはよく分かった」
レオンもため息を吐きながら服装を正し出したが、そこで会話は終わらなかった
「……だがリリアはどうする」
「……!」
それはかつて、自分がレオンに言い放ったのと同じ言葉だった