この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第46章 得れば失う、失えば得る
「…ごめ…なさ……」
「母上!」
レオンの腕の中で、カクンとシャルロットの力が抜けた
「……っ!」
それと同時に近付いてくる複数の足音
「こっちから叫び声が!」
「シャルロット様は何処だ!?」
レオンは小さく唇を噛み締める
“私は無力だ……”
シャルロットを椅子に横たえ、そっと額に口付ける
全てを守ることなど、出来はしないのだ
だから、私は–––
“さようなら、母上”
心の中で別れを告げ、レオンはただ唯一守りたい者の元へと急いだ–––