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果てのない海に呑まれて
第47章 思い知れこの愛を



「……リリア?」



座ったままでいるリリアにレオンは眉をひそめた



「…嘘は、つけなくても……“何もしない”ことは出来ますか?」



扉の前に立つ教会の人間に、その言葉は向けられている



「リリア?」

「……」



何も返されない為に今度は強く顔をあげ、はっきりと相手の目を見つめた



「よせ、リリア。何を考えて……」

「私が足止めをします」



その言葉に、迷いはなかった



「駄目だ、リリア」

「それは私が赦さない」

「貴方たちの許可は必要ないわ」



そして冷たく突き放すようなものでもない



「もう守られるだけなのは嫌。誰かが私のために傷ついていくのをただ見ているのは嫌。

私が何を言っても、レオン、貴方は聞かなかったわ。

ミゲル、貴方がレオンを失って苦しむのと同じくらい……いいえ、それ以上に私も苦しいの」



かつてレオンに弄ばれ為されるがままだった少女はもういない

これからは自分の意志で彼の傍にいる



「男性の服を貸してください」



生まれ持った気高さとその覚悟は、すぐに相手を部屋から下がらせた


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