この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第47章 思い知れこの愛を
「……リリア?」
座ったままでいるリリアにレオンは眉をひそめた
「…嘘は、つけなくても……“何もしない”ことは出来ますか?」
扉の前に立つ教会の人間に、その言葉は向けられている
「リリア?」
「……」
何も返されない為に今度は強く顔をあげ、はっきりと相手の目を見つめた
「よせ、リリア。何を考えて……」
「私が足止めをします」
その言葉に、迷いはなかった
「駄目だ、リリア」
「それは私が赦さない」
「貴方たちの許可は必要ないわ」
そして冷たく突き放すようなものでもない
「もう守られるだけなのは嫌。誰かが私のために傷ついていくのをただ見ているのは嫌。
私が何を言っても、レオン、貴方は聞かなかったわ。
ミゲル、貴方がレオンを失って苦しむのと同じくらい……いいえ、それ以上に私も苦しいの」
かつてレオンに弄ばれ為されるがままだった少女はもういない
これからは自分の意志で彼の傍にいる
「男性の服を貸してください」
生まれ持った気高さとその覚悟は、すぐに相手を部屋から下がらせた