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果てのない海に呑まれて
第47章 思い知れこの愛を
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フィナルに行けば、クリストフに会える
レオンはそれだけ言って馬を走らせた
「……っ」
夜が明け、昼間のうちはほとんど止まることなく進んだ
西の果ては地図で見るより、話に聞くよりずっと遠い
そして月が再び頭上にまで差し掛かった頃–––
「……どうした?」
急に歩速を緩めたレオンにミゲルは怪訝そうな顔をした
「いや……少し休もう。リリアが辛そうだ」
「私は大丈夫よ」
強がってみせるが、正直振動を受け続けた背中は痛くてたまらなかった
「だが……いつ敵に追い付かれるかも分からないし、だいたいクリスはもうすぐ出発だろう。休んでいる暇があるのか?
逃げ場のないところに追い詰められるのは……悲惨だぞ」
「大丈夫だ。私がいればな。
そうだろう、リリア?」
レオンは忠告などまるでないように馬を降り、リリアに手を差し出す
「……」
この自信に、いつもなら安心させられる