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果てのない海に呑まれて
第47章 思い知れこの愛を
しかしリリアはただゆっくりと首を振るだけだった
「何だ。私が信じられないのか」
「信じてるわ。……でも信じることと心配することは違うのよ」
「……」
レオンは手を腰に当て地に目を落とすと、
「……ハァ」
小さくため息を吐いた
そしてもう一度手を伸ばして今度はリリアの腰を掴む
「ちょっ、何して……やだっ」
「拒否権はない。私が休めと言ったら休め」
「おい、レオ……」
「お前もだ、ミゲル。
三人ともシエラを出てからほとんど休んでいない。お前に至っては病み上がりだ。
……まだお前に倒れられるわけにはいかないんだよ」
リリアもミゲルも、何も言えなかった
言葉は変わらないのに、その口調は今までとどこか違う
今まで以上に迷いなく、相手を思っていて–––。
「……仕方ないな。
だが夜が明けないうちに出発するぞ。ただでさえ昼間みたいに明るいんだからな」