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果てのない海に呑まれて
第48章 果てのない海に呑まれて
–––そろそろ終わった頃だろうか
静かになった森の枯葉を踏みしめながら、ミゲルは来た方向へと顔を向けた
「休めと言っても休まない……のは俺も同じか」
苦笑すると、二人のいる場所へと戻っていく
「ハァ……呑気だな」
疲れたのか脱いだ衣服をただ体に巻き付け抱き合いながら眠る二人
決して安心出来るような状況ではないのに、何故かミゲルは彼らの姿に全身の力が抜けていくのを感じていた
“いや…さすがにこれは……少し……”
「ま、ずい……」
木の根元に腰掛けた途端、急激に襲ってくる眠気
レオンの言った通り、ミゲルは生死の狭間から戻って以来ほとんど休んでいなかった
抗いようのない疲労感に包まれる
「……」
周りの景色がぼやけ–––黒く染まった