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果てのない海に呑まれて
第9章 理解し得ぬ想い
が−−−
「それは駄目だ」
一蹴。
「皆それぞれの仕事ってものが……」
ぶつぶつとお説教を始めたミゲルの目が、ようやっとリリアの方を向く
そしてそれはすぐに大きく見開かれた
−−−と思いきや、一瞬で細められる
「お前……」
「なっ何?」
顔をじっと見られ、リリアはどこか変だろうかと慌てて手で覆う
「……いや、何でもない。とにかく、一人で必要以上に動き回ったり他の奴と関わるのはやめろ」
「それじゃ何も出来ないじゃない!」
「いつもみたいにレオンに構って貰えば良いだろう!」
「構ってって、そんな言い方……」
「なんだ、喧嘩か?」
ミゲルの失礼な発言にリリアが言い返そうとした時、ちょうど当の本人が姿を現した
「仲が良いなお前達。廊下まで響いていたぞ」
と、急いで顔を逸らしたリリアを後ろからミゲルと同じようにじっと見つめる
「お前……」
「何よ」
なんとなく視線を感じ、先ほどよりもまじまじと見られて内心焦るリリア
それでも頑なに反対方向を向いていると、レオンがふっと近くに寄ったのを感じた
「……っ」
頭に触れられたことでリリアの体に力が籠り、震える