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サイドストーリー6
第5章 横浜ホールデング②
横浜のレストランの様子を見に行くから久しぶりに会わないか?
片桐から、昨日の夕方電話が来て
俺と篠塚は二つ返事でOKした。
久しぶりに来た片桐のレストランは
いまだにピアノにはかぎが掛かっている。
「あれって誰も弾いてないの?」
「あれは奏のためのピアノだからな」
「そっか」
「調律はしてる」
そのピアノは他を寄せ付けないオーラで弾き手を選び、主人を待つ王座のように鎮座していた。
「で?今日は何で呼び出したわけ?横手さんは?一緒じゃないのか?」
「今日は実家に帰した。たまにはゆっくりさせないとな。農家は休みがないから」
「へ~」
「なるほどね」
「なんだよ」
「ずいぶん大事にしてるんだな」
そう笑った俺と篠塚を片桐は軽く睨んだ。
「お前たちはどうなんだよ」
「俺は普通だよ」
素知らぬ顔で、ワインを飲む篠塚に俺が笑った。
「よく言うよ。篠塚、永坂さんといると笑顔が優しいじゃん」
「はぁ?」
「・・・・って、うちの部署の子が言ってた」
「・・・・」
「あんなに怖い人でも、彼女には優しい顔するんですね~。って。
俺聞いたとき、笑っちゃったよ」
俺もワインを飲みほした。
片桐から、昨日の夕方電話が来て
俺と篠塚は二つ返事でOKした。
久しぶりに来た片桐のレストランは
いまだにピアノにはかぎが掛かっている。
「あれって誰も弾いてないの?」
「あれは奏のためのピアノだからな」
「そっか」
「調律はしてる」
そのピアノは他を寄せ付けないオーラで弾き手を選び、主人を待つ王座のように鎮座していた。
「で?今日は何で呼び出したわけ?横手さんは?一緒じゃないのか?」
「今日は実家に帰した。たまにはゆっくりさせないとな。農家は休みがないから」
「へ~」
「なるほどね」
「なんだよ」
「ずいぶん大事にしてるんだな」
そう笑った俺と篠塚を片桐は軽く睨んだ。
「お前たちはどうなんだよ」
「俺は普通だよ」
素知らぬ顔で、ワインを飲む篠塚に俺が笑った。
「よく言うよ。篠塚、永坂さんといると笑顔が優しいじゃん」
「はぁ?」
「・・・・って、うちの部署の子が言ってた」
「・・・・」
「あんなに怖い人でも、彼女には優しい顔するんですね~。って。
俺聞いたとき、笑っちゃったよ」
俺もワインを飲みほした。