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サイドストーリー6
第21章 横浜発 7:54⑤
本社の科学技術広報に異動になって、
研究職から、その知識を生かした広報活動が仕事になった。

今まで研究室に閉じこもりがちだった仕事は
一気に外回りが中心になって、俺の毎日が一変した。

いろいろな企業などに行くことが増え
ある企業の技術開発の女性主任が、兄貴と大学で同期だったと知ったときは驚いた。

きれいな人だ。

それが彼女の第一印象。

そんな彼女の会社との打ち合わせの後、帰ろうとした俺に
書類を、タンタンッとテーブルに軽く打ち付けて端をそろえながら

「矢野君、近頃いいことあった?」

と笑った。

「え・・・」

打ち合わせ中、さくらのことをふと考えていたのが顔に出たのか?

「何か不手際がありましたか?」

浮かれていてへまでもしたか?

「いいえ。なんだか楽しそうだから」


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