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仕置きの館
第4章 願い、そして……
______夕食を摂るために、
佐久真の後ろを一列で歩く。



犬はなつみの入浴中にどこかに連れて行ったらしい。


バスルームから出ると姿がなかった。



あったのは、
佐久真の厳つい体と氷のような視線。



スポーツブラ・ショーツを履き、
作業着を被る。


当然のようにドライヤーなんてものは無かった。



咲子・あゆみ・なつみ。



2人、いなくなってしまった。



_______ここを出たい気持ちだけは、
なくさない。




なつみは奥底にある怒りを忘れてない。



しかし、手立てがない。


力で敵うはずがないし、
扉という扉は全てセンサーで開錠するようだ。





いったいどうすれば?



モヤモヤくすぶる不安を、
小さく呼吸して抑えた。


とりあえず「更生するフリ」をしよう!



らせん階段を降りてゆく。


食堂はいつも通りだ。

机が縦に並び、
着席するとトレーが運ばれる。



白身魚のフライ・コーンスープ・
サラダに白いご飯。



(これだけ作れるってことは、
給食センターみたいな大きな調理場があるの?)
ふと気づいた。



麻痺して味がしないときもある。
が、
メニューはごくごく普通のメニューだし、
これを看守の男が作っているとは思えない。


フライにはちゃんと塩胡椒で味がついていた。
サラダにも短冊切りのリンゴが混ざっている。




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