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仕置きの館
第5章 一縷の望み
咲子は無表情で淡々と着ている。
なつみも目を合わさない。
が、
通じていた。
柳瀬が見張っているから無表情のフリなんだ。
夜中まで我慢。
看守は直立不動で浅い眠りを摂る。
なつみは逸(はや)る胸に、
「落ち着いて。きっと、きっと道はある」と言い聞かせる。
『最後、
鮎川なつみ!
入浴しなさい』
呼ばれたなつみはバスルームに入る。
全裸に湯を浴びると、
こんな環境でもホッとする。
『痛っ!』
体じゅうのあちこちがピリッと痛む。
訓練中に必ずどこかに傷が出来る。
『はあ……………
シャンプー、シャンプー…………』
ゆったり洗っている間はない。
痛くても手早くしないと、
また刑罰が増えるだけ。
シャンプーボトルを掴むと、
湯でツルッと滑ってしまった。
コロコロ転がる。
『_____どうした?』柳瀬がめざとくドアを開き訊ねてきた。
『シャンプーを落としてしまいました…………』
『そうか。
備品といっても共用なのだから、
手荒に扱わないように』
ピシャリと閉まるドア。
なつみは(滑っただけなのに……)と凹む。
転がったボトルは、
タイル床の角にある。
なつみは立ちあがり、
シャンプーを拾った。
その時だ。
ビュウッ…………………
風の音がした。
『へ?』
なんでバスルームで風?
気のせいかな……………
しかし、
再びビュウッ…………ヒュー~~~~……………
と音がする。
______何?
なつみは湯気に埋もれたバスルームで辺りを見回す。
『あっ………………………………』
大きな声が出そうになった。
天井と横壁の間に、
高さ30センチほどの柵があった。
幅は1メートルあるかないか………くらい。
なつみはあんぐり口を開いた。
(そっか!
窓も無いんだから、
通気孔もない。
でも、湯水は流れてくし空気だっていれなきゃならないわ…………)
大発見だ。
なつみも目を合わさない。
が、
通じていた。
柳瀬が見張っているから無表情のフリなんだ。
夜中まで我慢。
看守は直立不動で浅い眠りを摂る。
なつみは逸(はや)る胸に、
「落ち着いて。きっと、きっと道はある」と言い聞かせる。
『最後、
鮎川なつみ!
入浴しなさい』
呼ばれたなつみはバスルームに入る。
全裸に湯を浴びると、
こんな環境でもホッとする。
『痛っ!』
体じゅうのあちこちがピリッと痛む。
訓練中に必ずどこかに傷が出来る。
『はあ……………
シャンプー、シャンプー…………』
ゆったり洗っている間はない。
痛くても手早くしないと、
また刑罰が増えるだけ。
シャンプーボトルを掴むと、
湯でツルッと滑ってしまった。
コロコロ転がる。
『_____どうした?』柳瀬がめざとくドアを開き訊ねてきた。
『シャンプーを落としてしまいました…………』
『そうか。
備品といっても共用なのだから、
手荒に扱わないように』
ピシャリと閉まるドア。
なつみは(滑っただけなのに……)と凹む。
転がったボトルは、
タイル床の角にある。
なつみは立ちあがり、
シャンプーを拾った。
その時だ。
ビュウッ…………………
風の音がした。
『へ?』
なんでバスルームで風?
気のせいかな……………
しかし、
再びビュウッ…………ヒュー~~~~……………
と音がする。
______何?
なつみは湯気に埋もれたバスルームで辺りを見回す。
『あっ………………………………』
大きな声が出そうになった。
天井と横壁の間に、
高さ30センチほどの柵があった。
幅は1メートルあるかないか………くらい。
なつみはあんぐり口を開いた。
(そっか!
窓も無いんだから、
通気孔もない。
でも、湯水は流れてくし空気だっていれなきゃならないわ…………)
大発見だ。