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仕置きの館
第5章 一縷の望み
『おいっ!
時間がかかりすぎているぞ』
柳瀬の声が飛ぶ。



なつみは『はっ、あ、も、もう少しですっ』
と慌てた。





心臓がバクバクする。


今まで建物内に目を配る気力なんかなくて、
いっぱいいっぱいだったから気づかなかった。




シャワーでシャンプー泡を流し、
リンスを手早く塗るとボディーソープで体を洗った。



思い切り頭から湯をかぶる。



_____探せば、
〔逃げ道〕があるかもしれない!




隔離された辺鄙な場所にある〔とこなをし〕。



だけどあれだけの食事があるということは、
調理場がある。
いくら閉鎖的に締め切っていても、
看守が鍵を持ってるだけで人が出入りできるんだ。



わたしたちだって、
初日そうやって入ってきたんだから………………





バスルームを出た。


作業着と下着を受け取り、
付けると寝床に潜り込んだ。




あれから何日経ったっけ?


もう、分からない。


何月何日なのかさえ教えてくれない。


けど、
布団の中でなつみは目を開けていた。


興奮して、
体はクタクタなのに眠くならない………………………………………

























『はっ………………んん…………』

暗く静まり返った畳部屋。


咲子の寝息と、
あゆみの歯ぎしりが聞こえる。
「う…………うぅ~………」あゆみはうなされていた。

廊下から洩れ入る灯り。


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