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潮騒
第11章 正一郎の帰還 ー白波ー
既に寝間も一階で良太郎と並んで、ヨシと耕太郎と寝ている郁男。菊乃を恋しがることすらない幼子は、逆に不安ですらある。
剛志は、この時分には、まだ菊乃にべったりで、それはそれで仕事が捗らなかった。逆に離さねばとヨシや耕太郎に任せても、眠くなると母ちゃん母ちゃんと泣いた。それを思うと、郁男はどこか違った。
「年寄りから楽しみ取ったら呆けるぞ。ええんやないか、可愛がっとるんやから。チヨも居らんし、良太郎も大きなったし、暇なんやろ。やりたいようにやらせてやれや。」
上手く言葉にできない焦燥が、正一郎には伝わらず、菊乃は溜息をついた。
「せっかく二人になれてるんやし、もう一人二人おってもええやろ。俺女の子がええわ。」
菊乃の首に腕を回し、身体ごとゆっくりと傾ぐ。
拒む理由もなく、ただされるがままに、菊乃は今宵も正一郎に抱かれる。
剛志は、この時分には、まだ菊乃にべったりで、それはそれで仕事が捗らなかった。逆に離さねばとヨシや耕太郎に任せても、眠くなると母ちゃん母ちゃんと泣いた。それを思うと、郁男はどこか違った。
「年寄りから楽しみ取ったら呆けるぞ。ええんやないか、可愛がっとるんやから。チヨも居らんし、良太郎も大きなったし、暇なんやろ。やりたいようにやらせてやれや。」
上手く言葉にできない焦燥が、正一郎には伝わらず、菊乃は溜息をついた。
「せっかく二人になれてるんやし、もう一人二人おってもええやろ。俺女の子がええわ。」
菊乃の首に腕を回し、身体ごとゆっくりと傾ぐ。
拒む理由もなく、ただされるがままに、菊乃は今宵も正一郎に抱かれる。