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潮騒
第17章 終章 ー凪ー
様々なものが整った街で、元通りの生活を求めるならば、まだまだ復興には時間がかかる、といった頃であったろう。
だが、元より何もない田舎の山里のこと。
戦争の爪痕は街よりも浅く、日の明け暮れに伴い、その痕跡は徐々に埋没していく。
いつ戦争が終わったか、と問われれば、昭和二十年八月十五日が終戦記念日だ、と学校では習うのだろう。
だが、その当時には、これで終わったなどとはとても思えなかった。
感覚として、いつ終わったと感じたか、と問われたなら、明確な日にちは答えられないけれど、いつ頃、というなら、それはこの頃だったのかもしれない。
だが、元より何もない田舎の山里のこと。
戦争の爪痕は街よりも浅く、日の明け暮れに伴い、その痕跡は徐々に埋没していく。
いつ戦争が終わったか、と問われれば、昭和二十年八月十五日が終戦記念日だ、と学校では習うのだろう。
だが、その当時には、これで終わったなどとはとても思えなかった。
感覚として、いつ終わったと感じたか、と問われたなら、明確な日にちは答えられないけれど、いつ頃、というなら、それはこの頃だったのかもしれない。